最新の記事
カテゴリ
その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
(以下の記述は私、素人が記述しています。間違っている可能性は大いにあります。反証歓迎です。)
預託実効線量係数というのは、摂取した放射性物質の量から、実際にどの程度人体に影響を及ぼすかを算出するための重要なデータです。なぜそのデータがそんなに重要かというと、食品の基準値等はこの係数を使って算出されているからです。 私の結論を先に書きます。 預託実効線量係数は、恒常的に放射能に汚染されている現実と前提条件が異なり、この係数を使った試算では、内部被ばくが大幅に過小評価されることになります。 なぜなら、 1. 食物や大気が恒常的に汚染されている場合、体内の放射性核種の原子数が減少していくことを前提としてはいけないのは明白です。しかし、預託等価線量の算出式は原子核崩壊による原子数の減少(実際には生体半減期かも)を前提としています。 つまりこの預託実効線量係数を使った内部被曝線量の試算は、内部被ばくが大幅に過小評価されることになります。 2. 預託実効線量係数の核種のパラメータについては、半減期のみが使用され、核種がそれぞれもつ化学的特性(例えばストロンチウムはカルシウムと似た性質で骨に集まる等)は全く無視されています。 3. 年齢による放射線感受性については、まったく無視されています。 証明 内部被曝時の摂取原子数から実効線量(Sv)に換算するための預託実効線量係数というものがあるのですが、よく調べてみるとそもそもの汚染環境の前提が、現実と根本的に違います。 まず、核種ごとに実効線量の係数を算出した表がここにあります。 緊急被ばく医療研修のホームページ/内部被ばくに関する線量換算係数 この時点では、おそらく核種ごとの各臓器への影響を計算し係数にしているのだろうと推測します。 ところが、実際にその算出法を調べると、現実に合わない算出法になっている事に気付きました。 預託実行線量とは? Japan Chemical analysis center 現実と違うところ 1 内部被曝時の摂取原子数から実効線量に変換する式と、その式によって導かれた係数についてですが、組織や臓器Tの受ける預託等価線量H(τ,T)が以下の式で求められています。 H(τ,T)=∫h(t)dt ただし、t=[t0,...,t0+τ]とする。 h(t)は組織や臓器Tの摂取後の時間tにおける線量率。 τは時間であり、職業被ばく及び公衆の成人に対しては50年、子供や乳幼児に対しては摂取から70歳までの期間をとります。 放射性物質の組織や臓器中の実効半減期(放射性核種の体内からの排出とその核種自体の減衰の両方を考慮した半減期)の長いものと短いものについて、上式のh(t)を例示したものが図1です。 ![]() このh(t)という関数は、2-(τ/半減期)の指数関数であり、半減期(実際には生体半減期と思われる)にしたがって摂取した物質が新たに増えることなく減少していくことを前提としています。 つまり、預託等価線量H(τ,T)は、1回だけ放射性物質を摂取したときに、生涯にわたってどれだけの被曝をするかという積分値であり、毎日飲食や呼吸によって放射性物質を摂取することを前提としていないのです。 食物や大気が恒常的に汚染されている場合、体内の放射性核種の原子数が減少していくことを前提としてはいけないのは明白です。しかし、預託等価線量の算出式は原子数の減少を前提としています。 つまりこの預託実効線量係数を使った内部被曝線量の試算は、内部被ばくが大幅に過小評価されることになります。 現実と違うところ 2 預託実効線量E(τ)は、放射性物質の体内摂取から受ける組織や臓器Tの等価線量にその組織や臓器の組織荷重係数W(T)を乗じて加え合わせたもので、次の数式で示すことができます。 E(τ)=ΣW(T)・H(τ,T) H(τ,T)が現実に合わないという事を除けば、この式自体には異議はありません。 何が問題かというと、この係数です。 W(T) 組織荷重係数 生殖腺 0.20 赤色骨髄、結腸、肺、胃 0.12 乳房、肝臓、食道、甲状腺、膀胱 0.05 皮膚、骨表面 0.01 残りの組織 0.05 具体的な組織の名前がない組織に関しては「残りの組織」として 0.05の値が与えられています。 現実には、ヨウ素131が大量に垂れ流されている現状で、子供の甲状腺への影響はかなり大きいはずです。 放射性物質は物質ごとに化学的性質が異なり、本来であれば、この組織荷重係数には、核種の次元と、年齢の次元がなければなりません。 つまり、預託実効線量係数の核種のパラメータについては、半減期のみが使用され、核種がそれぞれもつ化学的特性は全く無視されています。 年齢による感受性差異については、はなから無視されています。 どのくらい違うのか? 131Iの実効線量係数は、 ICRPモデル 2.2x10-8Sv/Bqに対して、 オレゴン州大 4.5x10-7 (http://bit.ly/i9uRn8) DOE (1988) 4.9x10-7 EPA (1988) 4.76x10-7 Killough and Eckerman 4.6x10-7 です。 ICRP以外は、4.5x10-7~4.9x10-7 のほぼ同一な値になっています。 比較してみます。 毎日131Iを1000ベクレル一年間摂取するとすると、 ICRPモデルの場合、8mSv オレゴン州大モデルの場合、164mSv になり、大幅に線量が異なることが判ります。 【参考文献】 "2005 RECOMMENDATIONS OF THE INTERNATIONAL COMMISSION ON RADIOLOGICAL PROTECTION"/ICRP "UNCERTAINTY OF THE IODINE-131 INGESTION DOSE CONVERSION FACTOR"/Oregon State University "Recommendations on Dose Coefficients for Assessing Doses From Accidental Radionuclide Releases to the Environment"/Health Canada" "Dose Coefficient"/European nuclear society "福島原発事故の危険性について"/東京大学物性研究所 押川正毅 "チェルノブイリ原発周辺 30km 圏避難住民の被曝量の再検討"/京都大学原子炉実験所 今中 哲二 こういうのがありました。 "内部被曝についての考察"/琉球大学 矢ヶ崎克馬 http://web.engr.oregonstate.edu/~hambydm/papers/benke.pdf
by ngc1208
| 2011-04-20 14:00
| 放射能汚染
| |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
ファン申請 |
||